No.01 青春移項
〜ああっ眼鏡さまっ −Ah, My Glasses−〜
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| 真に快適な環境というのは、往々にして自覚されない傾向にある。現代社会を見回してみても、そういった例は枚挙に暇がない。例えば、夜の灯り。普段は、蛍光灯のありがたみなどはほとんど忘れ去られているが、いざキャンプなどで灯りの少ない生活をしてみると、その快適さが痛感させられるものである。自転車などにしても、普段マウンテンバイクやロードサイクルを使用している人間が何かの拍子にママチャリなどに乗ってしまうと、そのペダルの重さに愕然とするという話がよくある。そういうことがあって初めて、普段は意識しなかった自分の自転車の人間工学性を知ることになるのだ。 別に現代社会に限る必要はない。高い日差しに涼しい空気の秋や、ぽかぽかと暖かい春の陽気。実際にその季節の最中はその心地よさが自覚されにくい。暑い夏が来て、ようやく「春は良かった」などと言ってみたり、あるいは凍てつく冬の風を受ける段に至って「秋をもっと堪能していれば」と悔やんだりするのである。 病気になって初めて健康の有難さを知る、大切なものは失ってからその存在に気づく、などの言葉も、こういった事実を物語っている。 とにかく程度の差はあれ、そういう経験はそれこそ毎日のようにあるものだ。当然、私にもそんな経験はしょっちゅうある。最近では、眼鏡が壊れるということがあった。以下に、そのときの状況を詳しく記そうと思う。 |